米印関係の緊密化2005年07月05日 15時55分45秒

6月25日から訪米中のムカジー印国防相は、6月28日ラムズフェルト米国防長官と「米印防衛関係の新たな枠組み」(New Framework for free flow of commerce)に関する文書に署名

本文書は今後10年間の米印防衛関係での協力の枠組みを定めるもので、兵器の共同生産、ミサイル防衛での協力、軍事技術の開発協力などで防衛関係を強化するもの

このほか、新たに「防衛調達生産グループ」(Defense Procurement and Production Group)を設置することで合意。また、軍事部門の研究開発で更なる協力強化のため、「研究開発、実験、評価」で協力する協定に署名

更に、印海軍の空母搭乗パイロットの訓練を米海軍が実施することを承認する文書にも署名し、両国の軍事関係の更なる強化に合意

今回の緊密化には、中国の経済発展に伴う軍事力近代化が背景にあり、近年、インドは米国と政治・経済・軍事での協力関係を急速に拡大

2003年ハイテク貿易における協議が進展、 2004年1月「戦略的パートナーシップにおける次なるステップ(NSSP)」を発表し民生用の原子力活動、宇宙活動、ハイテク貿易に関する協力拡大とミサイル防衛に関する対話拡大に両首脳合意、2004年9月戦略的パートナーシップの一層の発展を合意、 2005年3月ライス国務長官が訪印し、戦略対話の実施、防衛協力の拡大、原子力エネルギーを含むエネルギー対話、宇宙に関する作業部会の設置で合意

一方、インドは2005年4月、中国と「平和と繁栄のための戦略的パートナーシップ」を結ぶことで合意、バランス外交を意図

インドは2012年の空母2隻体制を目指して整備中であるが、今回、空母搭乗パイロットの米国での訓練合意はインド海軍のインド洋でのプレゼンス拡大に米国の影響が及ぶことを否定し得ない

「米国とインドは新たな時代を迎えた」「米国とインドは民主主義と国益を共有しており米印関係は変化した」と両国防首脳が署名後の声明で述べたことは象徴的